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2017年1月29日 (日)

マスターシリンダーストッパーの功罪について…

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(長文なので注意!)マスターシリンダーストッパーの功罪について…。

昔からこの部品ってよく雑誌などでも紹介されてますけど、個人的には絶対に付けない部品です。
元自動車設計に携わったものとしての見解です。

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このマスターシリンダーストッパーは、主にサスタワー(ストラットタワー)に固定して、マスターシリンダーの先端の動きを止めようという仕組みで、これによってブレーキング時のダッシュパネル(バルクヘッド)のたわみや、ブースターのたわみ等を抑えてブレーキフィーリングを向上させようというものです。

効果はテキメンで、普通の人にもわかるくらいなのですが、自動車メーカーが採用した例はありません。
よく考えて下さい。 それだけ動いていたマスターシリンダーを無理やり動かないように止めるということは、そこに凄い力が加わるということなのです。(ハードブレーキングではトン単位)
もちろん、マスターシリンダーは外部から入力を受けるような事は想定して設計されていません。
干渉することすら許されません。

また、反対側のサスタワーは路面入力を一番受ける部位で、走行時には常に振動しています。 その振動がマスターシリンダーに入力されることになってしまいます。 こんな事を何年も続けたら、繰り返し応力による疲労破壊も懸念されます。

さらに、サーキット走行などのハードな走行時を想定してみて下さい。 ブレーキングしながらコーナーに突っ込んで行く時、イン側の縁石にドカンと乗り上げたりする事がまま、あります。 この時マスターシリンダーは踏力により前方に押し出されて強くストッパーと当たってるのにさらに縁石のショックによる激しい入力がサスタワーを介して入ってしまいます

こんな過酷な使い方されて大丈夫なようにはマスターシリンダーは設計されていません。

ちなみにマスターシリンダーが少しでもクラック入ると、圧力容器の役目を果たさないので、ブレーキ回路は一瞬にして機能停止します。 現在のクルマはX配管や前後配管で片方が失陥しても片方が残りますが、ペダルは底付きするかと思うくらい奥に入るため、通常のドラポジでは思い切り踏むことはできなくなります。

つまり、とっても危険なのです。

あと、現代のクルマはブースター(マスターバックは商品名です)もタイロッド式になり、伸び縮みも抑えられていますし、マスターシリンダーもコンベンショナルからプランジャタイプ(カップが外径摺動)に変わってマスター剛性は上がってます(最近のマスターシリンダーは短いですよね)。

なので、マスターシリンダーが動く原因はダッシュパネルのたわみが殆どなのです。 昔はマスターシリンダーもブースターも多少たわんでくれたので、全体でサスタワーからの入力をうまく逃してくれていたから、長い期間つけっぱなしでもあまり不具合にならないのかもしれませんでした。
けれど今はマスターシリンダー周りの剛性を上げてきているので、そのしわ寄せがストッパーとの接点に集中してしまいます。
数年で手放してしまうクルマが多いから、目に見えて不具合に至る前に何処かに行ってしまいますからいいようなものの、長く乗るクルマにつけるような代物ではありません。
ましてや命の危険性に関わることですから、私はおすすめしません。
たかだかブレーキのフィーリング向上で命落としたくないし、誰かを傷つけたりは絶対したくありません。

どんなチューニング部品でもメリット・デメリットがあります。 雑誌にはそういう細かな事は書かれず、メリットだけが誇張されがちです。 こういうブレーキ等に関わるものは本当に注意したほうがいいと思います。(ステンメッシュのブレーキホースも同様で私は付けないよ~)

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コメント

おいらのマスターシリンダーは繰り返し応力がかかるとますます能力が増します!
理子さんのストラットタワーに突っ込んで試しましょうか?

投稿: 肩甲骨 | 2017年2月 4日 (土) 17時37分

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